3.ヘバーデン結節
ヘバーデン結節とは
指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患です。第1関節背側中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブができるのが特徴です。
この疾患の報告者へバーデンの名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれています。一般に40歳代以降の女性に多く発生します。手を良く使う人がなりやすい傾向があります。
症状
ひとさし指から小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。痛みを伴うこともあります。第1関節の動きが悪くなり、痛みのために強く握ることが困難になります。
関節の周囲に水ぶくれのような透き通った腫瘤ができることがあります。これをミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼びます。
予防と治療
予防
遺伝性は証明されていませんが、血縁関係にある人がヘバーデン結節である場合は、体質が似ていることを考慮して、指先に負担をかけないように注意する必要があります。
治療
保存的療法としては、安静や投薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では少量の関節内ステロイド注射(特にトリアムシノロンは有効)なども有効です。
保存的療法で痛みが改善しないときや変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は、手術を考慮する場合があります。手術法にはコブを切除するものや関節を固定する方法が行われます。