関節に力が加わり、通常の範囲を越えて骨同士が動いた場合に起こるケガのうち、骨折や脱臼はX線で診断がつきますが、X線で異常がない関節のケガはとりあえず捻挫という診断になります。
ただ、捻挫という診断のままでは、治療方針もたちません。その後の診察やMRIで靱帯や半月板、軟骨損傷などの最終診断をする必要があります。
関節の腫れ、痛みが見られます。これら症状は一般には損傷の程度と一致しますが、痛みを感じにくい靭帯(前十字靭帯など)もあるため、余り痛くないから大丈夫と考えてはいけません。
また高度の靱帯損傷があっても、ほとんどの場合1~2か月以内に日常生活に支障がないレベルには回復します。したがって普通に歩けるようになったから大丈夫と思ってもいけません。
受傷の原因は、関節に直接力が加わるもの(直達外力による外傷)と加わらないもの(介達外力による、または非接触性の外傷)とがあります。
膝の場合、前者はタックルが直接膝に入ったことによるケガ、後者の例としては着地で膝を捻じったケガがその例として挙げられます。
直達外力によるケガは防ぎようがない部分があります。ケガを予防するためのサポーターの効果にも限界があります。
一方、非接触性のケガについては、ケガをしないような体の使い方や基本的な切り返し・着地動作をトレーニングで身につけることにより、ある程度防止できるのではないかと考えられています。